カナディアンライフ

カナディアンライフ働く母さん、カナダ子育て奮戦記 その4   By Yasuko Garlick(ガーリック康子)

「9歳の壁」と「トゥイーンズ」


働く母さん、カナダ子育て奮戦記

小学校3〜4年生にあたる9歳は、小学校にも慣れて、難しい思春期はまだ少し先。子育ても少し落ち着いて、親としては「子育ての中休み」と一息つきたい時期。ところが、この中学年期には、その後の学力や親子関係を左右する大きなハードルがある。日本ではこれを「9歳の壁」と呼んでいるようだが、こちらでも同じような呼び方がある。

13歳以上の子どもたちは、文字通り「ティーンエイジャー」または「ティーンズ」。これに対して、8歳から12歳までを、小学校低学年までの子どもたちとティーンズの間、つまりビトゥイーン(between)という言葉を、ティーンズに掛けて「トゥイーンズ」(tweens)と呼んでいる。

働く母さん、カナダ子育て奮戦記上の子がちょうどこの年齢に差しかかった頃、何だかそれまでと変わってきたことに気がついた。子ども子どもした感じがなくなり、ちょっと生意気になり始め、口答えが増えた。それまでわりと素直に言うことを聞く子だったので、親としては子育ての赤信号ではと気になり、いろいろと調べてみた。調べていくうちに、「トゥイーンズ」という言葉に行き当たったのだ。反抗期の準備期間なのかあ、と理解したが、まだまだべったり甘えてきたりすることもあるのが当たり前、とわかり安心した。

働く母さん、カナダ子育て奮戦記

さて、我が家には今そんなのが2人いる。喧嘩になると、ティーンズになり切れていない上の子と、低学年に毛が生えたような下の子がやり合う。かなりきつい事を言い合っているが、どちらも一生懸命背伸びをしているのがよくわかり、時々笑ってしまう。近頃、上の子の毒舌に磨きがかかってきたが、下の子も負けていない。それに、「トゥイーンズ」の喧嘩はまだまだ可愛い。この先、「ティーンズ」の喧嘩になることを考えると少し気が重いが、それまで戦況を遠巻きに観戦させてもらおう。

最近、子どものことでまたひとつ気がついたのは、ティーンズに近付くほど、物忘れがひどくなるらしいこと。他のお母さんたちに尋ねるとやっぱり同じ。学校からのお知らせの手紙を出し忘れる。傘を学校に置き忘れて来る。自分が言った事、大事な事を忘れるのは朝飯前。歳のせいか、自分の記憶力について自信が薄れつつある私より、よっぽど忘れっぽい。こんなことで大丈夫かなあ、と心配だが、親がいくら口を酸っぱくして言ってもあまり効き目がない。それでも、母親の悲しい(?)性なのだろう。親の言うことを聞き入れなくなる日が来ることを覚悟しつつ、やっぱり一言注意している自分に気づく。

働く母さん、カナダ子育て奮戦記

そろそろ「ティーンズ」の嵐がやってくる。 Brace yourself!


Yasuko GarlickYasuko Garlick(ガーリック康子)

おもに翻訳、通訳、チューターを生業とする2児の母。夫はカナダ人。
数カ国に滞在後、カナダ在住6年目。
最近、カレッジに通い始め、次の目標に向けて勉強中。



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