日本帰国後の就職活動に有利な手段の一つとして、TOEICの高得点を狙いたい人は少なくないはず。一般的に、日本でTOEICを独学で勉強した場合は100点スコアを上げるのに２年、日本のTOEIC対策の学校に通った場合は11カ月で150から200点アップと言われているが、バンクーバーに1カ月で平均140点アップいう驚きの実績を持つTOEIC専門校がある（最近では300点アップの生徒も輩出！）それが今回体験入学した99 instituteだ。短期間で自己最高点を大幅に上げ、かつ英語の基礎も同時に学べる学校だ。

この学校は日本人のためのTOEIC対策校なので授業はすべて日本語で行われる。全校生徒は最大25人、クラスは上・中・初級の３つでそれぞれ10名までの少人数制。一日のスケジュールは月曜日から金曜日の9時から午後3時まで、午前2コマ、午後2コマの編成となっている。毎週月曜の午前中は本番さながらの模試、午後にはすぐに回答が返却され模試の解説が行われるという週30時間のコース。また公開テストも月一回学校で受講可能なため、慣れた環境で落ち着いて本番に臨めるのは嬉しい。

今回体験したのは上級クラス（生徒６人）の朝一の授業「発音・聞き取り」。この学校の目玉的な授業で、「発音できなければ聞き取りはできない」との理論のもとに徹底した発音指導が行われた。まずはシャドーイングから。初めにスクリプトに目を通し、スピーキングの際に強調すべき単語を確認していき、次に1文ごとに発音をチェック。ネイティブにより近い発音を得るためのコツを学校独自のテキストに基づきながら先生（リチャード）が指導。このテキストには発音の特徴分析とコツが日本人に分かりやすい説明で載っており、読んでみて「なるほど、そういう法則があったのか」と目からうろこだった。仕上げとしてスクリプトを見ずにネイティブスピーカーの会話（CD）に合わせてシャドーイング。こうして何度も自分で発音していくことで、英語の音が自分のものとなり、リスニング力アップにつながるそうだ。ナチュラルスピードについて行くのはかなり大変だったが、発音のコツを踏まえたうえで行うと以前より滑らかに発音できるのが自分でも感じられた。

シャドーイングの次は聞き取りのトレーニング。本日はTサウンドの変化について。プリントにある単語を使って実際に声に出して発音することで、理屈だけではなく体に音をしみこませるので正確な音を覚えるのにとても効果的なやり方だと感じた。
参加した授業はここまでだが、この後に文法・リスニング・長文読解や実践演習のクラスがあり、経験豊富な３人講師による質の高い授業が行われている。なんと全講師TOEICの満点保持者で現在も定期的に受け続けていらっしゃるので、学校独自の教材にはその傾向と対策の知識がぎっしりと詰まっており、授業は最短で高得点をとるための無駄のない内容となっている。生徒の年齢層はやや高めなので、真剣にテスト勉強に取り組みたい人にとっては最適の環境と言えるかもしれない。授業終了後１時間は個別指導時間が設けられており、そのあとは自習時間。多くの生徒が遅くまで残って自習をしているそうだ。自習室を見せていただいてその理由がわかる気がした。白を基調としたすっきりとした部屋で落ち着いて勉強ができる環境が整っている。この学校には帰国前の英語のブラッシュアップのために通う生徒のほか、基礎文法力を鍛えるために通う生徒ともいるとのこと。日本語での指導ということで、ESLではなかなか理解しきれない細かい疑問（特に文法や言葉のニュアンス）が明瞭になるのはこの学校の魅力と言えよう。