冬から春にかけてがバードウォッチングのシーズンだ。
カナダにはバードウォッチングのメッカがたくさんあるが、五大湖の一つエリー湖北岸にあるポイントピーリー国立公園は中でも有名だ。
カナダ本土の中では最南端に位置するこの国立公園は、キャロリニアンフォレストと呼ばれるカナダでは珍しい植生の気候帯となっている。

ここには毎年５月、中米からメキシコ湾、米国諸都市の高層ビル、エリー湖の三つの大きな難関を乗り越えて小鳥たちが戻ってくる。エリー湖上空を飛んで繁殖地に向かうトリにとって唯一の緑に見えるこの半島は疲れきった羽を休める格好の中継地となっているのだ。

この時期ここに世界中のバーダーが集まるのは、①５月初旬はまだ葉が出ていない裸の枝にとまる小鳥が見やすいこと、②繁殖地に散ってしまうと見づらくなるトリの密度が高いこと、③カラフルな繁殖羽に換羽しそれぞれの種類が特徴のある美しい声でなき識別しやすいオスがメスより先にやってくることなどの理由からだ。
バーダー達のお目当てはWarbler（和名アメリカムシクイ）と呼ばれる色鮮やかな小鳥だ。
黄色い顔に怪傑ゾロのような黒いマスクをしたカオグロアメリカムシクイ（Common Yellow Throat）、黄色の顔に黒い頭巾を被ったクロズキンアメリカムシクイ（Hooded Warbler）、金色も鮮やかなオウゴンアメリカムシクイ（Prothonorary Warbler）、顔は黒、お腹は白、背中と羽は青、腰のポケットから白いハンカチをちょっと見せているお洒落なノドグロルリアメリカムシクイ（Black-Throated Blue Warbler）などがいる。
都会を遠く離れて、森と湖に囲まれてバードウォッチングしたい人なには絶対おすすめなのが、ポイントピーリー国立公園だ。