「昨日のホッケーどうだった?」という会話が挨拶代わりに交わされる季節。プレイオフが近づく2月はその風潮がますます強くなる。嫌でもホッケーの話題が耳に入り、普段ホッケーに興味が無い人でも結果が気になる、そしていざ試合を見に行きたくてもチケットは既に完売。そんなもどかしさを毎年感じていた私は、昨年中に2月のカナックス戦のチケットをゲット。そしてようやくその日がやってきた。
私が見た試合はバンクーバー・カナックス対カルガリー・フレームズ。カナックスの長年のライバルとして君臨するフレームズだが、今年はそれ程調子が良くない。しかし、私が見に行った試合の数週間前から、今までの不調が嘘のように連勝を重ね、楽勝気分だったカナックスファンは試合前から応援に気合が入っていた。
ここまで書くとかなりのホッケーファンだと思われがちだが、実はそれ程熱狂的なファンではない。家でも試合をTVで必死に見ることは少なく、試合後に放映されるスポーツニュースを見るのみ。正直言うとフィギュアスケートを見るほうが何十倍も好きだ。しかし、毎年ホッケー観戦を繰り返している。昨シーズンなんて3回も見に行った。一体何がそうさせるのだろう・・・。私はふと考えてみた。
日本より大衆娯楽が少ないカナダ。カナダ人がこれ程熱く、そして愛する物はホッケー以外には存在しない。そして私も日本人でありながらもカナダに住んでもうすぐ丸6年が経とうとしている。アジア文化が大衆化されているバンクーバーに6年も住んでいながら「カナダにいる」と実感できるのが、このホッケー観戦の日くらいなのかもしれない。それ程私はこの国、この文化に「慣れて」しまった。 |