カナディアンライフ
カナディアンライフアイウエオな毎日 その12 By Michelle Igarashi

と生の境に涙ただあふれん」


死と生の境に涙ただあふれんいったいどうしてこのようなことが 起きるのでしょう。2011年3月11日、日本に起きた未曾有の災害はこの原稿を書いている今も大変な状況が続いています。
いつか、大きな天災に合うかもしれない、そんな思いは誰もが持っていると思います。それでも、その気持は心のなかの奥のほうに あって多くが忘れがちな不安です。しかし、今回の災害は世界中の目を覚まさせるだけのものでした。誰もがこの日を心に刻み込むでしょう。
それ程に大きく深刻です。未だどれだけ多くの方の尊い命が奪われてしまったのかわかりません。私もまだ安否のわからない知人がおります。
ただただ無事であって欲しいと祈り続けています。昨今、インターネットもメールも携帯も著しく発達し、多くの方が情報をえることができるようになりましたが、いざ災害となるとライフラインが絶たれた状況では、携帯にも限りがあり、実際被災地にいる方は情報 をとるすべがありません。多くの方が携帯を持っていても、それを使ってインターネットをしたり、諸情報を検索したり、ということはじ つのところ年配の方などはほとんどやり方をご存知ありません。
ですから、情報をとることも困難です。あまりに情報社会になっているた めに安全な場所にいる私たちは、被災地の方々よりもリアルタイムに情報を得ますので、被災地の方も同じ、と錯覚します。実際は違いま す。被災地ではまるで暗黒の中に置き去られたような状況になります。死と生の境に涙ただあふれん
ですから、外から被災地に動く人間 が多数必要になります。報道関係の方などは我先に被災地に入りますが、あちらこちらで取材をする際、まずその可動力を使って救援物資 や得られる情報をできるかぎり搬送してほしい。
私は15年前、阪神大震災のお り、救援物資を搬入しました。衣料品、紙おむつ、ミルク、哺乳瓶などを中心に全国から寄付を集め、1週間未満で災害現地に20ト ン分を搬入できました。そのため被災地に救援物資をとどけるノウハウは得ています。
ノウハウがあるのに、今動けないのがたまらなく悔 しいのですが。

死と生の境に涙ただあふれん 救援物資は集まるのは早いのです が、現地に入っても、配布されるのがすごく遅いんです。その理由は自治体管理にあります。被災地の自治体が災害本部となりますが、職 員にも被災者が多いため、人員の確保ができず、また物資をうけとっても配布する人員が不足します。
中央政府のコンタクトはなかなかで きず、避難所とのコンタクトもうまくできない場合が多いのです。ですから、避難所で待っているより、自治体本部に取りに行ったり、自 治体以外の人員が配布をするような人海戦術が災害早期には必要になります。
被災地の真っ只中では混乱が続くので、それがなかなかでき ないものなのです。海外にいると何もできなくて歯がゆい思いをしますが、かわりにメールや電話などで各企業に救援物資を依頼したり、 自治体に連絡をとったり、被災者にコンタクトが取れるなら避難所の場所確認をして、自治体に物資の搬送を依頼したり、は私たちでもで きます。募金活動も大きな力になるでしょう。
みんなの小さな力を集めて、国災といえるこの大災害に心強く立ち向かってゆきましょう。

生きるということは、死の直前まで ひたすらに生きる、ということ。今、生きている私たちは命に感謝をして、精一杯生きる、そうすれば必ず良い方向にむかって動きます。
自分の立場で物を考えず、あいての 立場にたって物を考えて行動し、支え合いましょう。
「がんばろう!日本!」

MOMでは被災児童たちの未来の為に就学援助を長期に行いたいと思います。復興のためには子どもたちの健やかな成長が絶対必要だからです。 みなさまのご協力をお願いします。


Michelle Igarashi Michelle Igarashi
カナダ在住の日系人の皆様のための医療アドバイス、妊娠、出産のサポート、産後のケア、母乳マッサージ、授乳指導、ベビー検診、育児指導、離乳食指導、応急処置クラスなどを随時開催しております。

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