カナディアンライフ
カナディアンライフアイウエオな毎日 その13 By Michelle Igarashi

みわたる卯月の空に鳥は舞い」


澄みわたる卯月の空に鳥は舞い卯月ってご存知ですか? 4月のことです。むかしの月の名前ですが、この和名はどの月もとても季節感があって、 音もきれいで大好きです。

4月は卯の花が咲く季節なので、卯月と名付けられたそうですが、 十二支の4番目の干支の卯の意味もあると言われています。卯はうさぎですの で、西洋のイースターの月ともなんだかうまくあっている気がしませんか? 卯の花は「おから」のことですが、ここで言う卯の花とは 「うつぎ(空木)」という植物のことです。
白い可憐な花が咲きます。別名は雪見草、5月22日の誕生花で、花言葉は謙虚です。

澄みわたる卯月の空に鳥は舞い まだ、カナダでは天候が安定しませ んが、晴れるとずいぶん暖かい陽射しになってきました。桜やプラムの花が美しく咲き出しました。これからしばらく、いろいろな果樹の木や桜が時期をず らして花開いてゆきますので、楽しみな季節です。やはり、日本人、桜を見ると春を感じます。コブシやレンギョウ、エニシダなどもきれ いです。まもなく、大輪のモクレンも咲きますね。我が家の近くには、すごく立派なモクレンの木がたくさんあって、毎年すごく楽しみな んです。澄み渡った青空にとりどりの花の色、鳥たちのさえずりは命を喜んでいるよう。

澄みわたる卯月の空に鳥は舞い日本にも春はやってきています。被災地にも、津波に耐えた桜が花をひらかせています。被災された方にとっては、季節を味わうどころではないとおもいますが、せめて、ふとしたときなぐさめになってくれたら、と願います。

いろいろな自治体から救援の声が上 がり、実際大勢の方が各都府県に避難されています。しかし、やはり生まれ育った場所を離れるのは耐え難い辛さがおありでしょう。
安全で、暖かい寝床があっても、心 は故郷に向かいます。多くの方が愛する故郷に一日も早く安心して帰れるように、国は全力を尽くして欲しいと願います。
原発のせいで、仕事も土地も家も大 丈夫な方までがすべてを奪われてしまった、家からも離されておられるのは本当にお気の毒でなりません。
丹誠込めて育てた畑も、海の恵もな にもかもみえない放射能という毒のせいで廃棄になってしまう。こんな納得できない話はないと思います。
これだけは、はっきり人災だからです。

この震災で、信じられないほどの多くの犠牲を出しました。生き延びることができた方はどうかその生命を大切にしていただきたいのです。
生きる、ということはそれだけで意味があります。生きてくださるだけで良いのです。でも、原発のせいで仕事を奪われ、未来を悲観して自殺されてしまった方もおられます。せっかく生き延びたのに…。どれほどの絶望を感じられたのか、と思うだけで辛すぎます。でも、でも、どうか死なないでください。
皆さん、生きてください。日本中の 人が皆さんをかならず支えます。世界中の人が祈っています。震災で亡くなった方々も、決して最後まで諦めなかった、生きようと精一杯 頑張られたと思います。だから、どうか、みなさんも生きてください。
哀しいけれど、命はいつか必ず終わります。でもその時は誰にもわからない。その時まで精一杯ただ生きる。それだけでいいんです。何かをするために、何かをなすために生きるのではなく、ただ生きていれば、何かが進み、何かができます。
だから皆さん、どうか生きてください。

たとえ何年かかかっても、土地がい つか蘇り、心穏やかに美しい春をみんなで迎えられるように…。


Michelle Igarashi Michelle Igarashi
カナダ在住の日系人の皆様のための医療アドバイス、妊娠、出産のサポート、産後のケア、母乳マッサージ、授乳指導、ベビー検診、育児指導、離乳食指導、応急処置クラスなどを随時開催しております。

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