日本人一人ぼっち、じゃない!
「日本人一人ぼっち」というタイトルで丸三年お送りしてきたカナディアンライフも、今回はあえて、「日本人一人ぼっち、じゃない!!」としたい。
3月11日朝の4時半、東京の父からの電話で目覚めた。父は私に心配をかけまいと、自分がガンの告知を受けたこともその摘出手術が無事に終わったことも一切電話してこなかったのに、今回はカナダと日本の時差をも考えずに電話をしてきたという事は、ただ事ではないはずだ。
全て手作りお菓子やお寿司
大きな地震があったけど母と弟も無事だからという知らせだった。時間が経てば連絡が取れなくなると予想した父はその前に私に無事を知らせてくれたらしい。
ほっと一安心したものの、父方の福島の親戚や岩手や仙台の友達の行方も全然分からなくて、不安はニュースを見て広がるばかり。海外に住む日本人は多分例外なく自分がこんな時に何の役にもたてないことに心を痛める。私もその一人でニュースを見ては泣いてばかりいた。
ある日この地方の新聞の記者が私にインタビューに来た。私はこの機会にと「がんばれ、ニッポン!」と日本語で印刷してくださいとお願いした。翌週の新聞の一面には地震、津波、原発の事や私の家族の話と一緒にがんばれニッポン!という日本語が載った。この地方新聞では始めての事らしい。その記事は日本の方々が早く安心して生活できることを祈るカナディアンがこんな小さな町にもいる事を象徴していて感動した。
ボランティアで演奏してくださったオーケストラ その新聞を見てある日本人女性が連絡をくれて、彼女達の行うチャリティーバザーに参加させてもらう事になった。当日はあいにくの雨にも関わらず、たくさんの人が来てくれた。何でも12組のバンドやオーケストラがボランティアで演奏してくれたり、手作りのお菓子やお寿司、持ち寄ったヤードセールの品々、真心と体力と知恵、そして何よりも少しでも日本の役に立ちたいと言う全員の願いが一つになった催しは、家から1時間半かけても来る価値は十分にあった。スタッフの方々お疲れ様でした、素晴らしい催しでした。
久しぶりにたくさんの、しかも素敵な日本人と会って、自国の言葉を思い切り話しストレス発散にもなって「日本人一人ぼっち、じゃない!」
思いは一つ
カナダの西側ブリティッシュコロンビア州のビクトリアにあるプリントショップで日本への義援金集めの為に「頑張れ、日本」と印刷したTシャツを販売してると聞いて、私も注文しそれをバザーに着て行った。西側の島に住む友達もバザーにそのTシャツを着て行ったという。このオンタリオ州から飛行機で5時間、時差も3時間ある場所で、日本への熱い思いから同じTシャツを着てバザーに参加するなんて、なんて素晴らしい事なんだろう。