今回は、バンクーバーのPPCで、一般英会話コースから少しステップアップを目指した専門クラス“アカデミックスピーキングクラス”を体験させてもらった。 PPCには１～７段階のレベルがあり、最高レベルのクラスが「アカデミックイングリッシュ＆TOEFLテスト対策コース」だ。“アカデミックスピーキングクラス”は、このテスト対策コースの補強クラスとなっている（最高レベルのクラスとはいえ、一定のレベルに達していれば他のコースの生徒も受講可能）。

今日の授業では、IELTS試験のスピーキング部を抜粋して行われた。IELTSは日本ではまだまだ知名度は低いものの、世界的な英語能力検定試験で、移民や英語圏にある大学・専門学校等への入学を目指す人など、日本でも受験者が増えつつある注目の試験だ。　 テストは3つのパートに分かれ(①自己紹介、②与えられた題材についての自己意見、③「②」に対する試験官からの質問への応答)、時間は１人15分ほど。

今回は特に②について練習を行った。与えられている時間は約2分で題材はホームタウン。 「あなたの地元について教えて下さい」と言うもの。
先生からもらったプリントにはこの試験を乗り切る“コツ”（例えば、あなたの地元は何処にあるの？（位置情報）／自分にとって親しみのある場所は？／オススメスポットは？／なぜそこが自分にとって親しみがあるのか？などなど、与えられた質問にどの様な肉付けが必要なのか）が細かく説明されていた。

各ポイントを約30秒で話す事で2分間のスピーキングは無駄なく、試験官に十分な情報を伝えられる計算となる。これらをスピーキング内容に盛り込み、時間内に伝え切る事が試験本番においてとても重要な意味をなす。授業内、会話の相手はペアを組んだクラスメイトだが、先生はずっと各ペアのスピーキング内容、進み具合をチェックし、2分経過後に私たちのスピーキングに足りなかったものをしっかりフォローしてくれた。　

ところで、このスピーキング練習に入る前、皆がわざわざ時間を割いて私のために自己紹介をしてくれた。皆、私の目を見てゆっくり、しっかり文法や発音を意識しながら話しているのが伝わって来た。「話す」と言う事は、自分の言いたい事が相手に正確に「伝わって」初めて会話となる。それにはアイコンタクト、正しい文法・発音が重要だと言う事を生徒各々がちゃんと意識している。テスト対策コースの一環として設けられているこの“アカデミックスピーキングクラス”だが、テストのためだけではなく、自分の意思を他者に伝えると言う、英語を話す上で必要不可欠なスキルがこのクラスで学べるのだと実感した。