カナディアンライフ

カナディアンライフ働く母さん、カナダ子育て奮戦記 その30  By Yasuko Garlick(ガーリック康子)

卒業式


卒業式

    6月、上の娘が小学校を卒業した。
    卒業式当日は、友達と一緒に髪を巻いたり、メークをするために、朝6時起き。私が手伝うつもりでいたが、ヘアアイロンやヘアカーラーを持っている友達の家で準備をするという。学校に行く前に、お父さんに写真を撮ってもらうために一度家に戻ってから、近所に住む友達二人と学校に行った。

    春休みが明ける頃から、卒業式に何を着ようと本格的に悩み始めた。小学校の卒業式である。本格的なドレスやタキシードを着る、セカンダリー・スクール(学年で、日本の中学と高校にあたる)の卒業式に比べると、まったく可愛いもの。それでも本人は真剣である。友達がどんな服を着るかとか、どこで買う予定だとか、遠回しに催促する。普段着で出席させる気はまったくなかったが、すぐに着られなくなるドレスに大枚をはたく気もさらさらない。本人には内緒で探してはみたものの、ようやく大人サイズのXS、時々Sが着られるようになったばかりである。どれも大きすぎる。けれども、子どもサイズのドレスは、子どもっぽくて嫌だと言う。(ちなみに、日本で私のサイズはM。ところが、こちらのMは大概大きすぎるので、もっぱらS。ティーン向けのサイズでも、大きめのサイズなら着られることもある。)

    さて、今日こそはと思い、妹も連れて近くのモールにドレスを探しに行った。案の定、サイズがない。どうしたものかと考えあぐねていたところ、あるお店が目に入った。中国系のオーナーらしき人のいるお店である。どこのモールにもあるフランチャイズ店でもない。入ってみると、全体的にサイズが小さい。これはと思い探してみると、いくつか気に入ったものがある。それでも、他のお店も見たいというので、同じようなお店を探して見てみる。結局、最初のお店に戻り、色とデザインが気に入って、膝丈より少し長めでホットピンクの、スパゲッティー・ストラップのドレスを手頃な値段で購入。靴も買うつもりだったが、さんざん歩き回って疲れたので、後日改めて見に行くことにした。

卒業式    さあ、今度は靴である。最初は、ヒールのあるサンダルがいいと言っていたが、途中でヒールは却下。フラットシューズになる。大人の靴の売り場で、いろいろ試してみた結果、コサージュのような花が付いた、黒い布製のフラットシューズに決定。色は黒だが、結構可愛い。

    式には、子どものドレスアップした晴れ姿を見ようと、卒業生の保護者がたくさん来ていた。事前にクラスのみんなと一緒に練習したはずなのに、娘はかなり緊張気味。式の流れは、だいたい日本と同じ。校長先生の祝辞の後、卒業証書授与。(ただし、日本のようなしっかりしたお免状ではない。)有志作成のパワーポイントのスライドを見て、卒業生代表の答辞。最後に在校生が送る歌を歌い、式は小一時間で終了。淡々と進行し、日本のようにすすり泣きを始める子(親?)はひとりもいない。

卒業式    式の後は、ポットラック・ランチ。保護者が一品ずつ持ち寄って、みんなで食べる。それが終わると、卒業生だけのパーティー。体育館でダンスをしたり、校庭に出てバスケットボールをしたり、思い思いに過ごす。何をしたのか尋ねると、なんとなく喋っていたと言う。結局、学校からすぐに家には戻らず、近所の友達の家に呼ばれて「二次会」。さんざんジャンクなおやつ類を食べて帰って来た。式では緊張したが、とても楽しい1日だったようだ。

    次に彼女が卒業式を迎えるのは、5年後。今度は、「本物のドレス」を購入せざるをえない。ドレス以外にもいろいろ揃えると、結構高くつくらしい。修学旅行の費用のように、今から「積立貯金」でも始めようか…。


Yasuko GarlickYasuko Garlick(ガーリック康子)

主に翻訳、通訳、チューターを生業とする2児の母。夫はカナダ人。
数カ国に滞在後、現在カナダ在住7年目。
只今、何か新しいビジネスを始めようと模索中。。



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