初めての面接
バンクーバーからオンタリオ州の小さな田舎町に引っ越してきて5年。去年までやっていた仕事を辞め、新しい仕事先を探し始めて1年近くが過ぎていた。この小さな町にそうそう仕事先があるわけではなく、何か自分で事業を始めようかとも考え始めていたところに地元の新聞にタウンシップオフィス(町役場)での臨時のオフィスアシスタント募集の記事を見つけて、駄目元でレジュメを送ったところ面接に来てくれと言われ、さっそくカナダに来て初めての面接を受ける事になった。
以前の仕事はボランティアから自然と社員になったので面接は無かったし、履歴書を添付する必要も無かった。考えてみればものすごくラッキーだったけどその分今回の初めての面接は緊張が大きかった。
面接当日はカナダに来て以来一度も袖を通した事の無かった日本から持参したリクルート服を着て時間の15分前には駐車場にいた。緊張で足がずっと震えていたのは覚えているけど何を言ったのかは覚えていない。でも一つだけ「この町の人々の為になる仕事がしたいと思いこの仕事に応募した」と言ったのは覚えている。
1週間後にメールで合格の知らせが来た時は本当にびっくりしたと同時に「どうしよう!」という不安な気持ちで一杯になった。面接前から分かってはいたものの、主な仕事内容は固定資産税というまったく未知の分野。政府関連の仕事は今までした事が無い。しかもマニュアルなどという物も無く、自分で見て聞いて分かった事を自分でまとめていかなくてはならない。始めの3週間は本当に泣きそうになりながら働いていた。鳴り止まない電話、ひっきりなしにオフィスに訪れる人々。ものすごく聞きずらいアクセントのある英語、難しい税金関係の言葉。今でこそ大抵の質問に答えられる様になったものの、まだまだ勉強の日々が続く
早く起きる事へのご褒美
早起きが嬉しい訳
仕事の日は朝6時半に起きてまずシャワーを浴び、しっかりとした朝食を食べて、持参するランチを作り歯を磨いて出かける。7月の朝6時半は寝室の目の前から素晴らしい太陽を見ることができる。圧倒される美しさに向って“今日も一日元気に仕事をするぞ!”“今日は昨日よりもっと良い日になる!”と独り言を言う。夏から秋に、秋から冬になるにつれて日の出もだんだん遅くなるけど日の出というのはどんな時でも心のビタミン剤になるので大好きだ。