今回は、旅行業界関連プログラムに特化したバンクーバーのカナディアンツーリズムカレッジの添乗員育成プログラム、「Flight Attendant Pre-Employment」ディプロマプログラムを紹介させてもらおう。名前の通り、将来航空業界で客室乗務員として働きたい人のための三か月のコースだ。

授業は、モジュールAとモジュールBの二つに分かれ、モジュールAでは、航空業界の専門用語や、多くの航空会社が保持している飛行機（ボーイング、エアバス）のシステムについて、また、世界地図を広げてカナダをはじめとする世界中の地理を学ぶ。
もっとも興味深い分野は飛行中の安全、つまり保安要務についてだ。客室乗務員はお客に最高のおもてなしをするのが主な役割だが、一方で保安要員としての役割も果たしていて、このコースでは、機内安全のデモンストレーションをはじめ、ハイジャック、飛行中の火災、減圧病がおきたらどう対処するかなどもカバーしている。機内サービスについても元エアカナダ客室乗務員の講師たちがロールプレイ形式で丁寧に教えてくれた。

モジュールBは、内容が全くAと異なり、自分とはどういう人間かをみつめ、長所、短所について洞察する。自分について深く知ると同時に自信を深める内容だ。
また、レジュメ、カバーレターの書き方、実際の航空会社の面接に向けて練習を何度も行うほか、BC州で認められているFood Safe, （食品の取り扱いついて）Serving It Right, （アルコールの取り扱いについて）、救命救急の資格など、客室乗務員に必要不可欠な資格が取れるようになっている。
一番のイベントはなんといっても飛行シミュレーション（Air Canada Simulator Training ）だ。たった一日だが、いままで学校だことを自分の目で確認できる貴重な授業だ。この日は、バンクーバー国際空港内も見学できる。

このコースは、客室乗務員という仕事の楽しさ、大変さ、さらには辛さを知ることができるコースだ。講師たちは皆経験豊富な人たちばかりなので現役時代の話もたくさん聞け、自分の将来のイメージが描きやすい。クラスメイトはほとんどがカナダ人ではじめは自分の英語に自信がなく緊張ばかりしていたが、わからないことがあれば丁寧に答えてくれるし、彼らのおかげで私の英語力は飛躍的に伸びたと信じている。客室乗務員は判断力と理解力が必要な仕事だが、このコースを通して自分自身が磨かれ、夢に一歩ずつ近づいているのがわかる。課題やテストに追われ大変な日々にだが、興味があればぜひ受講してほしい。
（卒業生　千葉　茜）