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創刊10周年特別インタビュー

●過去10年にカナダが成し遂げたこと / What has Canada achieved in the last 10 years?

●カナダが世界に貢献できること / How can Canada contribute to the world community?

創刊10周年にあたって

カナダジャーナルは、カナダの産業と文化を日本に伝えることを目的として、1992年の3月に生まれた。日本と取引を行ったり、日本との取引を希望しているカナダの企業が、日本市場向けにメッセージを送りたくとも送る方法を知らなかったり、手段は知っていても費用が高すぎて現実には不可能であったりすることから、専用の出版物を作り効果的な配布を行えば、カナダの企業に役立つのではないか、と考えたことが出版の動機である。類がない出版物ではあったが、その趣旨に賛同してくれた企業は多く、特にブリティッシュ・コロンビア州政府の貿易振興公社が、州内で生産される木製の建材を日本に宣伝するための広報紙として小紙を活用してくれたことで、創刊直後から効果をあげることができた。
当時は、昇りつづけていた日本経済に陰りが見え出し、日本独特のいく層にもなる流通機構にも少しづつ変化が起こり出していた。こうした変化を見越してか、ブリティッシュ・コロンビア州貿易振興公社では、カナダの住宅建材をカナダの工場から直接輸入することも併せて日本の産業界に働きかけ、その広報の役目の一端を小紙が果たしたのである。その後、日本では輸入住宅ブームが起こり、早くから日本の市場を獲得すべく積極的に活動していたカナダの住宅建材メーカーの多くは成功を収めた。
こうした成功の裏には、1970年代初頭から日本で販路の拡大に努めていたカナダ政府と林産業機関の努力があったことを、無視するわけにはいかない。また、日本国内の需要がちょうど輸入住宅を必要としだした時期に、ブリティッシュ・コロンビア州政府がタイミングよく乗り合わせたこともあるだろう。しかし、いかなる状況があったにせよ、積極的に進出するための政策を実施したことが、多くの企業と、州内およびカナダ全国の住宅建材産業を発展させたことは、疑う余地がない。カナダは当時、材木の原産国としては知られていたものの、木材の加工技術を持った国であることは知られていなかった。まして、カナダで開発された木造住宅技術や建材の中には、世界でも最も優れた性能を備えているものがあることなどは、ごく一部を除いて知る人もいなかったのである。
カナダは、ともすれば、売り込みを積極的に行わず、マーケティングも下手な国であるとされている。豊かな資源に恵まれ、さほど創意工夫しなくても、その資源を求めて買い手の方がやってきていたからだろう。資源産業一辺倒から脱皮した現在も、マーケティングが不得手な国民性は続いている。しかしカナダには先端技術、通信技術、環境、医療、教育、食品、映像などをはじめ、世界で高く評価される産業が多く育っている。こうした産業を支えている優秀な企業が、今後は世界で頭角をあらわすようになるだろう。カナダはアメリカなどと比較して資本力に劣るため、大量生産をして単価を落とし、低価格の商品を開発するようなことは今のところ得手ではない。しかし、本質的に良心的で優れた製品や技術を開発することには秀でている。これこそが、カナダの産業の特徴であり、カナダという国そのものの特徴でもあるのだ。
今号は、小紙の創刊10周年記念にちなんで、「過去10年にカナダが成し遂げたこと」、そして「カナダが世界に貢献できること」という2つのテーマで、各界を代表する方々にインタビューを行った。参加いただいた方々のコメントは一様に希望にあふれ、カナダという国に大きな自信と誇りを持っていたことが、カナダの姿を浮き彫りにしているように思われた。またその自信と誇りの基盤となっているものがカナダの先進思想であり、大学生から企業の最高責任者や州の首相までが、その点で思いを同じにしていることが、カナダのエネルギーを象徴しているように思える。
カナダはこの10年間で大きく前進し成長した。カナダは、国の枠を超えて人間社会を考えることで、世界をリードしていることを自覚している。10年目を迎えた小紙も、カナダの先進思想に恥じることなく、このエネルギーを伝えていきたいと思っている。
 
Canada Japan Journal was first published in March 1992 to introduce Canadian industry and culture in Japan. Many Canadian companies supported us from the start, despite the fact that no Japanese publication like ours had ever existed. The B.C. Trade and Investment Office found our publication useful as well, and they launched a campaign to promote the province’s value added forest products with us. When the “Imported House” boom took off in Japan a few years later, many Canadian companies who had been with the Journal since the early days became quite successful in Japan. When we think about the achievements of these companies, we cannot ignore the effect of the joint promotional effort between the Canadian Government and industry associations that has been taking place in Japan since the early 1970’s. We also cannot dismiss the conditions that caused the “Imported House” Boom in the first place. Overall, there is no doubt that such a pro-active approach made many Canadian companies successful in Japan. Before this, Canada was not known as a country with wood processing technologies. Nor was Canada known for having one of the most advanced building technologies and building products in the world.
 
Our country tends to be known for it’s lack of pro-active sales efforts or skilled marketing practices. This may be because Canada is rich in natural resources and buyers find us without much effort on our part. Today, Canada has out grown a resource-based economy, but we still seem to fall short of practicing an aggressive approach to marketing ourselves. There are Canadian industries that are not yet successful globally but deserve more attention in the world market. We believe leading companies in these industries will emerge in the future. Canada may not be as affluent in capital as America is, however, it does show excellence in developing fundamentally superior and conscientious products and services. This is what we believe characterizes Canada.
 
In this 10th anniversary issue, we asked Canadians and Japanese immigrants in Canada “What has Canada achieved in the last 10 years?” and “How can Canada contribute to the world community?” Over all, the comments from these people are hopeful, confident and proud. For instance, it was found that a university student, a corporate C.E.O. and a provincial Premier, share this confidence and pride in what we see as Canada’s advanced political ideology. Indeed, Canada has advanced and grown in the last ten years. We recognize that Canada is a leader in the world in its commitment to humanity beyond its borders. At the time of our 10th anniversary, we remind ourselves of Canada’s uniqueness and will continue to report on it.

カナダ首相からのメッセージ

創刊10周年記念に際し、カナダジャーナルの読者の皆様、ならびにスタッフの皆様に、友愛の情を込めてご挨拶いたします。
10周年は、カナダのビジネス、サービス、文化を、カナダおよび国外の日本社会で広報するこの出版物の業績をたたえるうえで、またとない機会です。 私はカナダジャーナルが、重要で有益な情報を末永く読者に提供していくことを、確信しています。 将来のさらなるご成功をお祈りします。
 
I would like to extend my warmest greetings to the readers and staff of the Canada Japan Journal, on the occasion of its 10th anniversary.
This milestone provides a wonderful opportunity to reflect upon this publication’s contribution to the promotion of Canadian business, services and culture to the Japanese community in Canada and abroad. I am certain that the Canada Japan Journal will continue to provide important and useful information to its readers for many years to come. Please accept my best wishes for every success in the future.

元在ヴァンクーヴァー日本国総領事館 総領事

創刊10周年おめでとうございます。 月間新聞「カナダジャーナル」は、カナダに関する幅広い情報を日本に伝え、日本のカナダに対する関心を深めることに寄与されています。
日本とカナダとの間では、良好な政治経済関係が発展しており、また、草の根レベルでは、目を見張るほど強固な絆が多様な方法で発展しています。 このような中にあって、貴紙の活躍に対する期待は一層高まっていくと考えられます。 次の10周年を頑張ってください。
 
I would like to extend my congratulations on your 10th anniversary.
Each month the Canada Japan Journal delivers a wide range of information about Canada to Japan and contributes to an increasing interest about Canada in Japan. Japan and Canada have a good and well developed political and economic relationship. They also have significantly strong ties at the grass roots level. From this foundation, I believe the expectations for the Canada Japan Journal will further grow. Best wishes to Canada Japan Journal on the next 10 years.

元バンクーバー市長

カナダジャーナルが、カナダのビジネス、文化、サービスを日本に報道して10周年を迎えるにあたり、スタッフの皆様に祝辞をお送りすることは大きな喜びであります。
バンクーバーと日本、およびバンクーバーの姉妹都市である横浜市は、友好的な文化・経済の交流に長い歴史を持っていますが、将来もこの絆がさらに強まることを確信しています。バンクーバーが世界で最も住みやすい町であることを、私はこの町の市長として、誇りに思っています。環太平洋地域への窓口であるバンクーバーは、カナダのモザイク社会を象徴する多くの異なった文化を持つ人々が住む、活気あふれる多文化都市です。世界で最も生活の質が高い町として、2度にわたりバンクーバーが選ばれた理由の一つが、この多様性にほかなりません。
10周年記念おめでとうございます。またこれからの10年も頑張ってください。
 
It is with great pleasure that I extend my congratulations to everyone at Canada Japan Journal as you celebrate ten years of chronicling Canadian business, culture and services in the Japanese marketplace.
Vancouver has a long, friendly history of cultural and economic exchange with Japan and our sister city Yokohama. I am sure that this bond between our communities will continue to strengthen in the ten years to come.
As Mayor, I am proud of Vancouver’s reputation as one of the most livable cities in the world. As Canada’s gateway to the Pacific Rim, Vancouver is a vibrant, multicultural city that embraces many cultures into the Canadian mosaic. That diversity is part of the reason why Vancouver has twice been ranked as the top city in the world for quality of life. In short, ours is a city in balance and a city that works. I can’t think of a better place to live, to play or to do business.
Once again, congratulations on your first ten years, and best wishes in the ten years ahead.

バンクーバー観光協会理事長

カナダの経済基盤は多様になってきました。アメリカという大国が隣にあることが幸いしていることは確かですが、日本やヨーロッパとの強い貿易関係があるために、国際的に経済が不調なときでも、国内の経済が安定しています。私の専門分野について言えば、観光産業が国内の雇用や経済、外国企業の投資を勧誘する点などで、いかに大きく貢献しているかが認識されるようになりました。日本では、カナダにはナイアガラやロッキーだけでなく、他にも多くの素晴らしいデスティネーションがあることを広報してきましたが、この点まだ努力の余地が残されています。またカナダの旅行産業を持続発展させるには、カナダが持っている美しい自然を保護することが大切です。これは日本の旅行業界からも指摘される点で、当然ながらカナダ側では、自然環境と共生することをひじょうに重要視して支援活動を続けています。
カナダは世界で最も信頼されているデスティネーションですが、これはカナダが平和を尊び、ほかの国の政策にたとえ賛成できなくてもその国を尊敬するからです。カナダにはバンクーバーのような町があり、バンクーバーには世界中の人が住んでいます。我々の強さは、”ちがい”を祝うことです。私は(国際社会における)カナダの役目を平和の使いであると思いたいのです。
 
Canada is one of the world’s most trusted destinations because Canada, internationally, is seen as a country that values peace and respects the politics of other countries even when we don’t agree with it. We have a city like Vancouver that is made up of people from all over the world. Our strength is that we celebrate the differences of nationalities. I would like to think of Canada’s role is an agent for peace.

ブリティッシュ・コロンビア州首相


 
カナダと日本は強い関係で結ばれてきました。特にブリティッシュ・コロンビア州にとり、日本はひじょうに重要な貿易相手国です。ブリティッシュ・コロンビア州政府は、日本のニーズに対応することを以前にも増して重要視し、貿易の障害を取り除くことに取り組んでいます。昨年の秋に日本を訪れた時は、林産業に焦点をあてた会議となりましたが、日本の需要に応えるだけでなく、日本の建築基準法の改正にも協力することを話し合い実行しています。またブリティッシュ・コロンビア州には大きく成長する先端技術産業があり、日本との関係を強化してきています。この産業は長期的に見て、ブリティッシュ・コロンビア州と日本の間に、非常に強いコミュニケーション・リンクを作りあげるものと考えています。
さらに教育面での交流にも力をいれ、ブリティッシュ・コロンビア州と日本の学生同士がより活発に行き来することも奨励しています。日本との交流は日本政府だけに限らず、企業とも行いたいと望んでいます。また両国の産業や教育機関同士が、継続的な交流を行うことを望んでいます。日本の人々、政府、団体に、ブリティッシュ・コロンビア州は日本との関係の重要さを認識して大切にし、その関係を強化したいと思っていることを伝えたいです。
カナダとブリティッシュ・コロンビア州が世界に貢献できる点では、世界が必要とする天然資源を供給できることが第一に挙げられます。しかし、他の国にはないブリティッシュ・コロンビア州の特徴の一つは、多くの異なった文化や、異なった教育、宗教を持った人たちで構成されていることです。私は、世界が求めている平和で自由な貿易市場を、私たちが築くことを確信しています。それには、ある国々で人々が経験しているような絶望感を取り除かなければなりません。私たちは、教育、ヘルスケア、自由経済、自由交流、寛容な社会を通じてそれを可能にできると信じています。そしてこの多様性を祝う理念を世界中に輸出したいと思います。
 
First we have exceptional natural resources which people want and need in the future, and we want to contribute those to world community. But, another thing that British Columbia has and many part of the world does not have is that is vast and diverse population with cultural, religious and educational background. One of the things we believe is we are going to create peaceful and open trading world that we need. Then we need to remove some of the sense of hopelessness and despair the people have in the different part of the world. We think we can do that with education, healthcare and open economies, open exchanges building on tolerant culture, that we in British Columbia and that is we hope to be able to export those ideas that celebration of diversity around to world.

MOM会長


 
カナダは若い国にもかかわらず、福祉に大きく力を入れています。また税金は高いですが、教育や福祉などに確実に生かされていて、何よりも保健が充実しています。日本では、産業があり、人口が多く、企業に収入があるのに、こうしたものがどんどん削られています。カナダでは、日本の関東地方ぐらいの人口が日本の何十倍もの土地をまかなっているのに、この点総体的に優れています。また移民を受け入れながら、アメリカや日本のようにその国の人間になりきるこ とを要求していません。移住してきた人が、それぞれが違う国の人間でありながら、一緒にカナダを構成していくのが感じられます。しかし、個々の文化を尊重し過ぎて、カナダの良さが統一できなくならないようにするのが今後の課題でしょう。これには新しく移住してくる人が自覚することも大切です。また、マルチカルチャーで人に優しく、福祉が充実していることなどはうまくいけばよいですが、福祉があるために働かなくてもよいとか、カナダにくれば助けてくれる、というような人の受け入れが増え過ぎてくるとマイナスです。人口が少ないだけに、負担が多くなり過ぎます。カナダは人が少ないぶんだけ人に優しく、外国の人にも優しくて理想的な国づくりの姿勢を持っています。将来を担う子供たちにやさしい社会ができ上がったところを見せるだけでも、世界に貢献できると思います。

元日本航空株式会社バンクーバー支店支店長


 
カナダの存在で感心するのは、巨大なアメリカ合衆国に隣接して位置する友邦でありながら、常に非アメリカであることを主張している点にあります。強い隣国に同化しない姿勢を示すことに、ヨーロッパ的な、また歴史的な「国民の意思」を感じます。「和して同ぜず」の哲学は、例えばアメリカブランドを持ったからといってアメリカ人にはならない、アメリカと同じようなライフスタイルであっても同じではない、という考え方からも伺えます。「隣の強国」との上手なつき合い方として日本にも参考になります。一方、カナダはその独自の立場を世界に向かってもっとアピールしても良いのではないかとも思います。現在、多くの分野の優秀な人材がアメリカに流出していく傾向が指摘されています。これではアメリカのモノの製造、ヒトの育成の下請化が進む一方となります。社会はまだ保守的で、これが若者の眼をアメリカに向けさせている第一の理由と思います。能力のある人が国内で活躍できる場をもっと提供できるように、人々の考え方や社会の仕組みを変えていくことが重要です。歴史的に個人を尊重し自由を認める精神で海外からの移民や難民を受け入れてきたカナダにとって、能力ある若い世代に国内で存分に活動できる魅力ある場を用意していくことは、さらに発展するための最大の課題となるでしょう。

スイモン・エンジニアリング・カナダ 代表取締役


 
カナダにはもともと、豊富な天然資源の輸出や、美しい自然を基盤とした観光業という売りがありました。それに加え近年はIT産業での技術や製品の開発が著しい成長をみて、この分野における世界のリーダーともなっています。また、映画産業においては、カナダは以前であればロケ地として利用されていたにすぎなかったのが、近頃では企画・製作まで行うほどに成熟してきました。このようなカナダの産業における新しい分野の成長ぶりには目を見張るばかりです。
その一方、環境破壊という問題が生じ、いかに自然を守っていくかということが、単に生態系を守るということのみならず、基幹産業でもある観光業を守るうえでも大切なことになっています。環境を守りながらも、産業の発達を促進する 「折り合いのつけ方哲学」が、今後のカナダで注目されるところだと思います。カナダの子供たちは普段から身近に自然と触れ合うことによって環境を守ることを学んでいる印象を受けます。環境教育においてもカナダが世界のお手本となっていくことを期待します。

桜楓会 会長


 
日本での仕事を引退しカナダにきて10年、カナダでの生活を存分に楽しんでいます。美しい自然に、おいしい水と空気。住んでみてとても良いところと感じます。また、アジア、ヨーロッパ、中近東、アフリカ、南アメリカなど、いろいろな国の文化を目の当たりにし楽しめる社会は、興味がつきません。特に、カナダの人々には親しみやすさを感じます。例えば、友人のお宅に招かれたり、招いたり。テーブルに集い、自慢の料理を披露しあいながらの語らいは、言葉・習慣などの違いを超えた人間同士のつきあいをするのにうってつけです。カナダが多民族・多文化の社会であることは、世界の縮図をこの国に見るようなものです。摩擦もあれば、葛藤もあるでしょうが、それは人間の自然な姿です。しかし、どのような状況であっても、互いに理解・尊重する気持ちを表すことで社会の一層の成熟が得られると信じます。幸せを願うことは人間共通の思いです。皆が仲良く、健康に暮らせる国づくりを今後も続けていってほしいと願っています。

ミシェル・モソップ


 
過去10年間にカナダは、国際舞台で政治的にも文化的にも意思を明確に主張するようになり、自信をつけてきています。政治的には、キューバの戦犯の待遇や、アメリカに輸出する軟材の関税問題などについて強く抗議していますが、これは10年前にはなかったことだと思います。文化的には、過去10年間に国連が6回もカナダを171国中でもっとも住みやすい国に選んだことで自信をつけました。世界からますます認められてきたことで、カナダは今までのような受身の国ではないという自信をつけてきています。国家主義的な自信とは違った形の自信で、それがカナダを政治的にも文化的にも国際舞台に位置づけています。世界がカナダの多文化政策から学べる点は多いと思います。世界中の人々が模索している「人間は共存できるか」という、大きく根本的な問題に、カナダは答えられると思います。
 
In the past 10 years, Canada has achieved a sense of confidence. We’ve become more assertive on the international scene, both politically and culturally. This increasing international recognition has resulted in Canada no longer being a passive nation, but a self confident one. Canada has a lot to offer the world community from Canadian policies of plurality and multiculturalism. People of the world are trying to figure out one big and fundamental question: Can we all just get along? And I think Canada has a clue as to how that might be done.

カナダUFJ銀行 バンクーバー支店長


 
カナダとお隣のアメリカ合衆国は、政治・経済をはじめ様々な分野で共同歩調をとっているかにみえます。しかしこの2カ国が互いに異なるアスペクトを持つことは、カナダに住んでみて実感として分かることです。アメリカ合衆国は、成功の機会を求めて世界中から集まる人々の絶え間ない競争によって成り立ち、多民族がmelting potの中で溶かされ、世界の覇者を理想とする国家です。一方、カナダはmosaic社会で、やはり多様な民族を背景に人々が集まりながらも、それぞれの独自性を尊重しながら彩りある社会をつくっています。押しつけがましくなく、自他の違いを認める懐の深さがカナダにはあります。先住民の権利や環境保全にも最大限の考慮をする。そういう国づくりの努力に深く敬意をおぼえます。美しい自然や公園、リーズナブルな医療制度。高齢者でも引退後の生活を楽しめる環境は、少なからぬ日本人が世界中の都市と比べ、住みたい国としてカナダ、特にバンクーバーを選ぶ理由として納得がいきます。広大な国土に加え、恵まれた天然資源は将来の長期的な発展をカナダに約束するでしょう。これからもカナダの人々が、寛容な社会の特徴を生かしつつ経済・文化的発展を続けられるよう祈念いたします。

バーンズボグ保護協会会長


 
バーンズ・ボグ保護協会は、バンクーバー近郊にあるボグ(湿地帯)の保護を目的に13年前に作られました。湿地帯は動植物の生息地であるだけでなく、洪水を防ぎ、酸素を供給し、二酸化炭素を貯蔵し、空気を浄化するなど多くの貴重な役目を果たしています。しかし13年前に湿地帯について知識をもっていた人はほとんどおらず、埋め立てして舗装すれば良いと思っている人が大半でした。1965年にカナダ西部最大のゴミ捨て場がバーンズ・ボグ内に設置されたことなどは、湿地帯に対する認識が皆無に近かったことを示す典型的な例です。
カナダは世界で最も多く湿地帯を持つ国ですが、湿地帯が豊富なことは逆に湿地帯が貴重であると思われない原因にもなり、すべての湿地帯を保護する法律はまだありません。しかし住民の意識が向上したことは確かで、ゴミ捨て場を湿地帯のなかにつくるようなことは、現在では市民の反対でまず起こり得ません。
2年前にブリティッシュ・コロンビア州南部地域でアンケートを取った結果、調査の対象になっ た85%の人がバーンズ・ボグについて聞いたことがあり、70%はバーンズ・ボグは、ブリティッシュ・コロンビア州南部地域の環境を健全に保つためには、非常に重要または重要であると答えています。カナダは、環境保護の基準やガイドラインをつくり、環境保護の立法化を働きかけ、積極的に活動して前例を作ることで世界に貢献できるでしょう。
 
Canada can contribute to the world by setting standards and guidelines, encouraging registration, and taking a pro-active position of protection towards the environment.

コスモス・セミナー主宰

昨年9月のアメリカでのテロ事件以来、心の「癒し」がますます大切に感じられるようになりました。こうしたなかでカナダの音楽界で活躍する人々、特に女性シンガーの活躍ぶりに元気づけられ、「癒し」を感じるのは私だけではないと思います。セリーヌ・ディオンヌの個性的な生きかたと透き通るような声、ダイアナ・クロールのソフトに語りかけるような歌い方、セーラ・マックロックランのハスキーで豊かな声量と、どの歌声も私たちに「癒し」を与えてくれるのに十分です。彼女たちに共通して言えることは、広いカナダでのびのびと育ち、世界にはばたき、多くのファンをつくり活躍していることです。男性シンガーでも、ブライアン・アダムスの歌からは、彼の人なつっこさや、ほのぼのとした人柄が伝わってきます。まだ歌手として知られていない頃、レストランの裏でギターをつまびきながら懸命に歌の練習をしていた彼が周囲の人に、「いつかきっと大ヒットを出してみせる」と言っていたという話が印象に残っています。チャレンジ精神と努力に溢れるアーティストに、惜しみない声援をおくる包容力あるカナダが私は好きです。そうした社会から生まれ、「癒し」を与えてくれるであろうカナダの音楽に、これからも注目しています。

ブリティッシュ・コロンビア大学学長


 
カナダは、人的資材の開発に大きく投資する国として、内外に知られるようになりました。革新的なアイデアと手段を備えた優秀な人材を開発し、生産性を向上し、国際市場で競争力を持ち成功するためです。開発する分野を特に限定しているわけではなく、国外からも優秀な人材を集め、人的資源の開発予算が世界のトップ5に入ることを目的にしています。国際外交の分野でもカナダは重要な役割を果たしてきました。カナダは民主社会、平和、人権保護の擁護国としてこうした問題と真剣に取り組み、以前にもまして世界で強く主張して、影響力をもつこ とを示してきました。カナダは国際社会のなかでこの役割を続けていかなければなりません。
またカナダは、”ニュー・グローバル・ノレッジ・ソサエティー”に貢献する点で過小評価されていますが、新しい知識や革新的な技術の開発においても、カナダで行われている教育をみても、ほとんどの分野で高いレベルを誇っています。この点をもっと世界に積極的にアピールする必要があります。そして、カナダが持っている技術を他の先進国と一緒になって、必要とする国々に提供していかなければなりません。
ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)は立命館大学と過去10年にわたり交換プログラムを行っていますが、このプログラムを通じてUBCで勉強した学生は1000人以上にのぼり、日本に帰ってカナダの良さを広める役目を果たしてくれています。またUBCはパシフィックリム・ユニバーシティー の一員として、東京大学をはじめ日本の主要大学と提携を行い共同研究プログラムを行っています。こうした活動を通じて教授や学生が交流することが、カナダの理念を広げることになるでしょう。

 
Canada has begun to be recognized, both regionally and globally, as a nation that is investing in people… To increase productivity, to be competitive and successful in a global environment through the abilities of people with innovative ideas and approaches. Canada has demonstrated to the world that we are serious in being a contributor to the development of a civil society, to the peace and human security issues and playing a much more assertive and strategic role in a global sense. Canada has been undervalued in our ability to contribute to what we call the “New Global Knowledge Society” and on almost any indicator we rank very high in our ability to discover new knowledge, to create innovative technologies, to be able to develop the level of education that we provide our citizens. We need to be more aggressive in making this known to the world.

プレシジョン・ジャパニーズ・トランスレーションズ代表取締役


 
カナダにおけるテレ・コミュニケーションの発展ぶりには目を見張るものがあります。早いテンポの進歩と普及のおかげで、翻訳業においてもカナダ国内に留まらず広く世界中から依頼を受けることができ、また、仕事の方法も加速・簡略化されました。17年前私がカナダに移住した当初は、ファックスの普及でさえ一般的ではなかったのに、今日では、ハイ・スピード・インターネット接続、デジタル・テレホンと、その技術力も普及率もカナダは世界のトップランナーとなっています。アメリカ合衆国のビジネス都市に比べてみてもカナダではコストを低く 抑えることができますので、高度なテレ・コミュニケーション技術を用い国際的に誇れるビジネス都市がさらに増えればと期待が持てます。
環境問題に関するレポート、環境保全に対する企業の方針などの翻訳依頼が増えてきたのが近年の特徴です。カナダに住んでいて感じることは、個人レベルでの環境問題への意識がひじょうに高いことです。自分たちの持っている美しい自然を守っていこうとする国民の気持ちは、国立公園でのゴミ捨て行為への罰金、都市開発計画における綿密な自然保護策にも伺えます。今後も草の根レベルでの自然保護に対する意識を広げ、それを世界に向けて発信していってほしいものです。

バラード・パワーシステムズ会長/最高経営責任者


 
カナダには世界各国の人々が移住してきて、それぞれのユニークなアイデンティティーと価値観を持ち込んでいます。こうした動きを通してカナダは社会的にも経済的にも興味深い社会を作り上げ、この点がカナダをして他の国と異なるものにしています。ある意味ではアメリカに似ていますが、多くの点でアメリカともヨーロッパとも違います。アメリカも多くの人種を抱えていますが、アメリカにはアメリカ主義とアメリカン・スピリットがあり、誰もがアメリカの視点にたって生きることが求められています。カナダでは自分の母国の文化や伝統を保ちながら、同時にカナダ人にもなれます。カナダはひじょうに美しい自然に恵まれた国で、その自然のなかでアウトドアレジャーを楽しむために、カナダ人にとり自然環境がひじょうに大切な生活の一部になっています。また、カナダ人の社会経済はそうした環境と密接な関係を持っているため、環境の重要性を明確に理解しているだけでなく、環境に対する責任と感性を持っています。きれいな空気、水、環境などに大きな価値を見出して台頭してきた会社はカナダには多く、バラードはその一社であるに過ぎません。過去10年間に、バラードは小規模の会社から燃料電池の技術で世界のリーダーとなり、従業員やパートナーをアメリカ、ヨーロッパ、ドイツ、日本など世界中に持つ会社に成長しました。
カナダは、異なった文化背景を持った人々が協調しながら生きることを世界に実証しました。またカナダは、環境の重要性を理解し、経済・社会開発を犠牲にすることなく、環境を保護し、人間の生活の質を向上することで世界に 貢献できると思います。
 
People come to Canada from different parts of the world to establish a  unique identity and a unique set of values that has resulted in making Canada different from other parts of the world. In some ways it is similar to the USA, but in many ways it is different from the USA and Europe…in the USA there are American ideals and an American psyche so that any one who goes to the USA falls in line with the American vision.
 
In Canada, people can still maintain their cultural heritage but be Canadians. Canada has demonstrated to the world how people with different backgrounds can live together in harmony. Canada understands the importance of the environment and how we can contribute to looking after it and improve the quality of life without giving up on economic development or social development.

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