＜前回までのストーリーは、バックナンバーの第75話をお読みください＞

自分探しが目的でカナダに来たヒロミチャンだが、答えがみつからないままに、ビザがもう2週間できれるまでになった。
オレルアン島を経つ前日の晩、ヒロミちゃんはB&Bの女主人ルルと深夜まで話していた。

ルルの言葉を聞きながら、ヒロミちゃんは、自分の第二の声を聞いたような気がした。耳で聞いたのではなく体の中で響いたような感じで、体がゆれ動いて熱くなった。

翌朝早く、ルルがヒロミちゃんをケベックシティのバスの駅まで送ってくれた。朝霧に包まれた駅で、二人はサヨナラを言った。ヒロミちゃんは心の底からのお礼を言いたかったが、涙がとまらず言葉にならなかった。今までカナダで会った誰よりも、ルルと別れるのがつらかった。（続く）

ご紹介する単語やフレーズは、この物語のシチュエーションにマッチした英訳です。 シチュエーションによっては様々な単語やフレーズがあるので、類語辞典などを使って調べてみましょう。