＜前回までのあらすじ＞
就労ビザ取得の手続きを終えて日本に一時帰国するヒロミちゃんがバンクーバー国際空港にチェックインした頃、成田空港ではシンジ君が両親に見送られてカナダに向かおうとしていた。

いよいよ出発を数時間後に控えた空港のレストランで、シンジ君は、カナダに結婚の約束をした人がいることを両親に打ち明けた。今まで何度も言おうと思ったが、両親が国際結婚に賛成するかどうかが疑問だったし、自分がカナダに住むとなったら、さぞ両親が寂しいだろうと思うと、言い出せなかったのだ。

シンジ君の言葉を聞いて、父も母も、一瞬言葉を失ったようだった。
最初に言葉を口にしたのは母だった。

その母の言葉が終わらないうちに、父が母を制するかのように、静かに言った。

クリスティーンからは、クリスティーンの両親も結婚に賛成してくれていることを聞いていた。それを伝えると、母も多少安堵したようだ。

いよいよ搭乗時間も迫り、ゲートで両親と別れる際になって、シンジ君は唇をかみ締めて笑顔を作った。ゲートの途中で何度も振り返ったが、両親は立ち去る様子もなく手を振っている。

それから、1時間後、シンジ君が乗った飛行機が飛び去って、何も見えなくなった空を見上げながら、シンジ君の父が母に話しかけていた。

ご紹介する単語やフレーズは、この物語のシチュエーションにマッチした英訳です。 シチュエーションによっては様々な単語やフレーズがあるので、類語辞典などを使って調べてみましょう。